金曜日は、クー・ギャラリーで開催中の
『みやこしあきこ展[Secret Talk]』でのトークショー
『みやこしあきこ×坂川栄治』に行ってきました。
あなたは1枚の絵から、物語の始まりから終わりまでを、
紡ぎだすことができますか?
絵本作家みやこしあきこさんの創作は、そんなかたちで
始まるそうです。
普通、多くの人は、何かの話を考える時に、始まりか終わりを
決めてから話を作るのではないでしょうか。
マンガの入門書とかで出てくる、「演繹法」とか「帰納法」とか
いうあれです。
ー1つの描きたいシーンが浮かんで、それを描きたくなるんです。
それを眺めていると、物語が広がっていくのです。
絵は、一枚のときもあれば数枚のときもあります。
ストーリーだけを考えようとしても出てこないんですー
と、淡々と語るみやこしさん。
これはすごいなぁと、聞いていて感心してしまった。
みやこしさんは、2009年の『第25回日産童話と絵本の
グランプリ』での大賞作品「たいふうがくる」の出版を期に、
絵本作家をスタートさせました。
しかし、このコンペには7年をかけてグランプリを手にしている。
まった~りなイメージのみやこしさん、(すみません)だけど、
賞を取ると決めたらやり続ける気持ちには、
静かなる熱意を感じた。
モノクロで描かれた絵本は、その漆黒の闇と光の活かし方が
素晴らしい。ドラマチックです。
そして、小生が何よりも好きなのは、淡々と時間が流れる様な、
ゆったりとした画面構成もあれば、ハイアングルやローアングルを
駆使したドラマチックな画面構成の作品と、まるで映画の様な
感じで、見る者を引き込ませるところ。
ー映画は好きです。特にサスペンスとかちょっと不思議感のある
映画が特にーとみやこしさん
さて、今回の展示は、絵本作家みやこしさんのリトグラフ作品を
メインに、貴重な原画4点もあり、見応えがあります。
(原画も販売されてます)
ー絵本を描く時に、こういう人に向けて描くとか、
大きなメッセージ性があるとかはないです。
ただ読んでくれた人に、自分なりの何かを感じてほしいし、
自分の思いを共感してもらえると嬉しいーと語る、
みやこしさんの作品は、1枚の絵でも、何かを悠然に語り、
また見ている人に物語を膨らまさせてくれるマジックに
満ちています。
それは、いつか見た光景だったり、体験だったり、想像だったり…
まさにこの作品たちは、思い出の扉を開けてくれるタイムマシンの
様でもあり、楽しい物語へ誘う扉でもある様でもあり……
さて、あなたはどちらの扉を開きに行きますか?
魔法の扉に会えるのは、今月28日までです。