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クー・ギャラリー『門川洋子展[Come Fly with Me]』でのトークショー

金曜日は、クー・ギャラリーで開催中の
『門川洋子展[Come Fly with Me]』でのトークショー
『門川洋子×坂川栄治』に行ってきました。
クー・ギャラリー『門川洋子展[Come Fly with Me]』でのトークショー_f0165332_22215040.jpg
今回の作品は2部構成での展示になっているようです。
先ず、DMにもなっている妖精の世界、そして、様様な気球の漂う世界。

和紙にボールペンで描くという、独特なスタイル、均一な幅の線は、
静けさと画一さをもたらします。
緻密な線は、1枚の絵のアクセントとして存在し、五月蝿くなく、
しかし、重要な存在であることを主張する。
それは、無の空間と緻密な線の集合体が、絶妙なバランスで存在し、
緊張感を生み出しているから…と感じた。

ボールペンで描く様になったのは、試行錯誤からではなく、
たまたま家にあったモノを使ったら良かった…からだそうで、
しかし、その基本的な考えは、絵の具などを使うと、準備したり、
使用後用具の掃除をしたり、手入れをしたりという作業が、
めんどうだからだという隠れた裏付けがある。
何ともまぁ、合理的というか、ある意味ストイックというか、
描くということに時間も気持ちも注ぎたいんですね。

意外なことは、まだある。
なんと、長谷川町子さんのファンなのだそうだ。
そう、サザエさんの作者。
しかし長谷川さん、マンガの世界とは違う絵も描かれている。
ーサザエさんの軽やかさと面白さが好きーという門川さん
(門川さんのクールなイメージからするとこれも以外…
あっ、スミマセン)

その要素は、この気球のシリーズに表れていて、
気球にぶら下がっているモノが、以外で面白い。
魚、タコ、帽子に椅子…こういった、さらっと摩訶不思議な演出が面白。
サザエさんを読み込んでいるせいなのか。
ぶら下げているものは、メルヘンチックにならない様、
計算しているらしい。
気球というリアルなモチーフを幻想の世界のへ導く上手いアイテムだ。

そしてもう一つが、妖精のシリーズ。
花と妖精のシリーズも淡々と描かれおり、静かで品のある作品だ。
女性のヌードが描きたくて、妖精で描いたというが、
肌のつるっとした感じを隠したくて入れた点描が、
妖精感を増している気がする。

この妖精には、実在のモデルさんがいて、ポーズも空想ではない。
そういうところが、幻想の世界にリアル感をもたらせているのだろう。

幻想交響詩のマエストロ、門川さんの作品は、観る人の心の中で、
そのリズムを静かに反復させ、増幅させていく。
その静かなしらべに会えるのは、今月28日までです。













by vacancesclub | 2017-04-09 22:33 | 日記
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