土曜日は、クー・ギャラリーで開催中の
『鈴木美貴子展[WARM METAL]』でのトークショー
『鈴木美貴子×坂川栄治』に行ってきました。
今回の作品は金属を加工した、一種工芸品とでも言える様な作品です。
切断したアルミ、真鍮の金属パーツを組み合わせた感じで、
それぞれの金属が持つ特有な色や、着色した金属の色が、
まるで塗り絵の様に、人物、動物、植物などを形作っています。
鈴木さんは、美大で彫金を学んでおり、線画が好きということもあり、
このスタイルに至きっかけになったとのことです。
スゴイのが、卒業後の最初の個展で、手応えを感じ、
このスタイルのままフリーになったということ。
別に、就職の経験がある訳でなく、色々なスタイルを経て…
ということでもないのですね。
ストレートに邁進してきたという、これは、本当にスゴイ。
では、、スゴイお話その2は、メルヘンチックで可愛い作品からは、
想像も出来ない制作過程があります。
髪の毛程の細い糸ノコを駆使し作品を作るそうですが、その後磨いたり、
薬品も使うなど、金属を切断する音は大きく、鉄粉は舞い、
薬品の匂いが充満するアトリエ…うるさい、臭い、汚いの最悪な環境…
その中で手ぬぐいを頭に巻き、格闘する鈴木さん。
しかし、作品を作っている時が、一番落ち着くとも言われました。
まさに、職人さん。
トークショーで聞ける作家さんの裏話、こういうところが面白いですね。
まだまだ色々ありますが、書ききれないので、制作裏話はこのあたりで。
スゴイお話その3は、こんなにメルヘンチックな世界観を
持っているのに、幼い頃から、絵本も映画も、
ほとんど見たことがないそうです。
資料のほとんどは、色々と行った海外旅行の写真。
かなりの数の国に行かれてたそうで、その体験が
想像力を膨らませているんですね。
ーこれからも、もっともっと、個々のフォルムの完成度を求めたいーと
言われる鈴木さん。
それは、上手くなるということではなく、
自分の求めているフォルムを形にしたいということでの完成度。
ということで、今回は、スゴイお話の連続でしたが、
メルヘンチックな作品は、個展タイトルとおり、金属でありながら、
暖かみがあり、柔らかさまで感じます。
さぁ、この愛らしい作品たちに合えるのは、今月30日まで。
春風に軽く押されて、メルヘンな世界へ、どうぞいってらっしゃい。